2014年6月27日金曜日

あるものを活かすということ


星空の小さな図書館の工事がはじまって間もなく1カ月。少しずつモノがしまわれているだけだった納屋が、人が過ごせそうな空間に変わってきました。梅雨の合間のある晴れた日。星空の家の駐車場にたくさんの杉板が並べられました。納屋の片づけをしていて出てきた大量の木材たち。

いつから眠っているかもわからず、状態も決していいとはいえないものもあるけれど、中には使えそうなものもありました。できればあるものを活かしたいというわがままを大工さんが聞いてくれ、杉板をきれいに加工してくれたのです。

今日はその杉板を塗装しました。どんな色にしようか悩んだけれど、星空の家には今は亡き、大家さんのお父さまがこの家を手入れしようと買っていたたくさんの塗料がありました。そうだ、これを使おう。もちろん、いつからここにあるものなのかわからないので、塗料としての効果がきちんとあるのか心配な部分もあったけれど、それ以上にすでに用意してくれたものを使いたいという想いが大きかったのです。



すでにあった塗料は量も色もバラバラでした。でも、塗り終えてみると、その色具合がなかなかいい。この杉板を使ってどんな外壁になるのかな。





母屋で使われなくなった引き戸の入口。ずっと眠っていた杉板の外壁。時を経て活かすことができた塗料。この小さな図書館は、昔からこの家にあったもので少しずつ形になってきました。

新しく何か活かすことはとっても手間のかかることで、
もしかしたらあのまま眠らせておくことの方がよっぽど簡単で楽なことでしょう。

でも、やっぱり、まだまだ活かせるものを放っておくことはできないと思ってしまうのです。

2014年6月10日火曜日

星空の小さな図書館の工事がはじまりました

「星空の小さな図書館」の工事がはじまりました。そのまま使えるものは残し、なるべくあるものを活用する。そんな難しい注文を快く受けてくれた大工さんは『星空の家』の元住人です。ずっと納屋に眠っていた荷物をすべて出してみると、想像以上に広いことに一同びっくり。当初予想してよりも、手間ひまがかかる工事になりそうです。                                                


改めてからっぽになった納屋は本当に広くて、この中に本棚を置いて、テーブルやいす、カウンターを置いてと、どうやって活用していこうかと思いが広がってきました。
そんな妄想も日々少しずつ現実になって来ていることを感じるとなんだか不思議な気分です。

正面の壁の部分には窓が入る予定。外の景色も見られるようになります。


2階は梁と柱はそのままに床を張りました。一部分を吹き抜けにした開放感があります。ちゃぶ台の座布団でごろごろなんていいかもしれません。



さ、まだまだ工事ははじまったばかりです。


どんな姿になっていくのかわくわくします。




2014年6月3日火曜日

2度目のこの日にありがとう

星空の家が、2周年を迎えました。




初めての住人がこの家で暮らしはじめて、あれから2年。

ほんとうにいろんなことがありました。

最初からいる住人も、すでに新しい道を選んだ住人も、そして、最近きたばかりの住人も、

今までの生い立ちも、ここに来た経緯も、そして仕事もみなバラバラだけれど、
不思議なご縁で、一つ屋根の下で暮らすことになったこと。

たった2年の間に、「はじめまして」と、「ありがとう、また来てね」と
新しい住人を招き、見送ったこと。

長い人生の中のたった数か月、数年だけど、
ここで暮らしたことを忘れずにいてくれたなら、
こんなにもうれしいことはないと思う。



星空の家は、ここで暮らす住人達だけではなく、
本当にたくさんの方に支えられてここまで来ることができました。

畑仕事をしているといつも話かけてくれるご近所さん、
いつも気になりつつもあったかい目で見守ってくれている地区の人たち、
なにかと集ってはわいわいとごはんを食べていってくれる仲間たち、

そんな日頃お世話になっているみなさまに感謝を込めて、
2周年のイベントを開催しました。


地区の区長さんの計らいで、
今年も回覧板で地域のみなさまにご案内を出させていただきました。

このちらしをもって、ご近所のおじいちゃん、おばあちゃんたちが遊びに来てくれました。

「このお庭の手入れに来てたんですよ」と。
なんだか懐かしそうです。

友人たちもたくさん来てくれ、
世代を越えての2周年イベント。

不思議なもので、この家を訪れる方は、子どもから大人、おじいちゃん、おばあちゃんまで、本当にさまざまで。それでもみなさん楽しそうに過ごされていることがとてもうれしく思います。


今回も昨年同様、昼の部と夜の部を開催。
お昼の部は、ご近所さんが多く、夜の部は、気心知れた友人たちが多く集ってくれました。


少しだけ、「星空の家」の今までの生い立ちと、
今、ここで暮らす住人達の紹介と、
そして、これからのことをお話させていただきました。

普段なかなかお話することがない方も、
どんな人が暮らしているのか、
どんな暮らしをしているのか、
知る機会になったようです。


中でも、「星空の小さな図書館」のことをお話した時、ご近所のおばあちゃんが
「私、本が好きなんです。できたらまたきます」とうれしそうに言ってくれたのが印象的でした。

本って世代問わず、興味をもってもらえるものなんですね。
改めて、「星空の小さな図書館」の可能性を感じました。

よそから来た私たちが地域の人に理解してもらうことは、
とってもとっても難しいことで、今日、明日にすぐできることではありません。

「こんにちは」のあいさつにはじまり、「今日はいい天気ですね」とか
「最近どうですか。」とか、そんな些細な会話の積み重ねから、
ちょっとずつできあがっていくもの。

住人たちがそれぞれそんなことをちょっとずつ積み上げていってくれているからこその「星空の家」。

何が正解でどこがゴールかもわからず、変わり続ける日々に戸惑うこともあるけれど、
去年より今年、今日よりも明日。

きっとこれからもたくさんの人に支えられて、まだまだ「星空の家」が続いていくことを願って。

「星空の家」の物語はまだまだ続いていきます。